暮らしのTIPS50代を過ぎたら考えたい
シニアレジデンス「オウカス」から学ぶ住まい
January 9, 2024

50代を過ぎたら考えておきたいのが、これから長く人生を健康に、そして豊かに暮らせる「終の棲家」のこと。今回は、シニア向け賃貸マンション「オウカス」を参考に、この先を幸せに暮らすための住まい選びやリフォームのポイントをご紹介しましょう。

終の棲家とは人生を豊かにする住まい

終の棲家とは、これからの人生をより幸せに暮らすための住まいのこと。

50代を過ぎたらそろそろ考えておきたいのが、この先の住まいのこと。若い頃は子育てが中心の暮らしでしたが、この先は自分自身が幸せに暮らせる住まいである必要があります。

日本人の平均寿命(※1)は、男性が81.05歳、女性は87.09歳。50代にはいってもゆうに30年以上あり、これまで子育てをしてきた期間よりも長い時間を過ごすことになります。

この長い期間をより豊かに暮らすためには、住まいにもひと工夫が必要に。終の棲家とは終わりのための家ではなく、これから長く続く人生を幸せに暮らす家のことなのです。

(※1:2023年厚生労働省発表)(※2:2021年厚生労働省発表)

理想的な人生を送るために必要なこと

利便性の高い立地にあるので、年をとっても自分の足で出かけていきたくなります。健康にそして人生を謳歌するための住まいです(オウカス 世田谷仙川)

心に描く理想的な人生は人それぞれにありますが、大切な要素となるのが健康と安全、そして生きがいです。

終の棲家を検討する際には、リフォーム、住み替え、建て替えなどの方法があり、それぞれにメリットがあります。どれを選ぶにしても、大事なポイントとなるのは、健康に安全に暮らしつつ、充実した日々を過ごせる住まいであること。

例えば、買い物や病院へのアクセスのしやすさ、防犯対策、家の維持管理のしやすさ、バリアフリーへの配慮などは、老後の快適な生活を支える大切な要素。終の棲家選びで、郊外の一戸建てから利便性の良いマンションへ移るケースが多いのも、こうした住環境のメリットを考慮してのことです。

また考えておきたいのが、年齢を重ねるにつれて家で過ごす時間が長くなること。その時間をどんな風に過ごすのかを考えた時、充実した楽しい毎日を送ることができれば、それは理想的な暮らしと言えるでしょう。

終の棲家選びとは、理想の人生を支えてくれる住まい選びのこと。まずは皆さんにとっての理想の暮らしを思い描いてみましょう。

健康に安全に暮らすために

引き戸なら車いすや杖を使う際にも開閉がしやすく、間取の可変性が高いのがメリットです(オウカス 世田谷仙川)

この先を長く安全に健康に暮らすためには、家の中にもちょっとした工夫が必要です。その際に大いに参考になるのがシニア向けマンションのつくり。

野村不動産グループの健康増進型・賃貸シニアレジデンス「オウカス」は、シニア世代が人生を謳歌する暮らしを実現するための工夫が凝らされています。今回は「オウカス世田谷仙川」を例に、そのポイントをご紹介しましょう。

<引き戸にする>

まずは扉から。理想は引き戸です。開き戸は開閉のたびに体勢を大きく変える必要がありますが、引き戸なら杖や車いすを使っても体の動きが最小限で済み、ラクに開閉ができます。

また、間仕切壁の代わりに大きな引き違い戸を設置すれば、シーンに合わせて個室にしたり、大きなワンルームにしたり。柔軟に間取りを変えることができるようになります。

<床はフラットに>

床の段差は無くして安全に。水まわりまでフラットな作りになっています(オウカス 世田谷仙川)

床の段差を無くすことも忘れずに。高齢者の家庭内事故で多いのは、つまずきや足の踏み外しなどの足元の事故です。敷居などの段差は無くしておきましょう。

築年数が古いマンションの場合、排水経路を確保するために、水まわりの床が1段上がっていることがあります。リフォームしても段差を解消できないケースもあり、その場合は住み替えを検討するのもひとつの手です。

一戸建ての場合は、ワンフロアで暮らせるようにしておくのが理想です。階段を使う場合には、しっかりとした手すりと滑り止め、足元を照らす照明を取り付けておきましょう。

<手すりをつける>

トイレの手すりがあってよかったという声は多いもの。忘れずに取り付けを(オウカス 世田谷仙川)
風呂椅子に座って洗面器が使えるようにカウンターを設置。また浴室も高齢者の事故が多い場所。手すりは必須です(オウカス 世田谷仙川)

体勢を変える位置には手すりの取り付けを。特に、便座への立ち座りや浴槽への出入りは高齢になるとバランスを崩しやすくなり、事故のリスクが高まるため注意が必要です。今はまだ問題なくても、将来の安全を考えておくのが終の棲家。浴室とトイレには忘れずに取り付けておきましょう。

<疲れないキッチン>

キッチンや洗面台の足元をオープンにしておくと座って作業ができるようになり、車いすでも使えます。ゴミ置き場としてもOK(オウカス 世田谷仙川)

キッチンにもひと工夫。料理や後片付けがラクにできる、疲れないキッチンを目指しましょう。掃除がしやすいキッチンであるのはもちろんのこと、足元をオープンにしておけば、時間のかかる細かい作業も座ってできるようになります。

オープンスタイルのシステムキッチンは、面積効率がよく、高齢になっても使いやすいキッチンになります(オウカス 世田谷仙川)

炊事の手間を省くには、キッチンから食卓までへの動線も重要です。こちらはオープンな壁付け式のキッチン。対面式に比べて移動距離が短く、配膳や後片付けがラクにできます。

対面式のキッチンは、子育て時には、子供たちの様子を見ながら炊事ができて便利ですが、自分たちのこれからの生活を考えると、また別のレイアウトが向いている場合もあります。

<玄関に椅子>

玄関ホールの壁に埋め込んだ折り畳み式の椅子(オウカス 世田谷仙川)

玄関には腰掛け用の椅子を用意しておくと、靴の脱ぎ履きがラクになります。こちらは玄関ホールの壁に埋め込んだ折り畳み式の椅子。これなら使わない時は壁に収納できるので、場所を取りません。

シニアレジデンスは終の棲家の見本ともいえるもの。リフォームや住み替え、建て替えなどの際に、参考にしてみてください。

日常を充実させてくれる住まいの工夫も

毎日を楽しく過ごせる住まいにしておくことも必要です。

終の棲家は充実した日々を過ごせる住まいであることも重要です。趣味を極めるための特別なスペースを設けたり、若い頃に叶えられなかった夢を叶えたりするのもいいでしょう。

終の棲家づくりでは、自分だけの空間や、趣味を思いきり楽しめる部屋が欲しい、以前は諦めたけれども今度こそ自分好みのインテリアに徹底的にこだわりたいといった声が少なくありません。

共用部分でそんな楽しい暮らしを叶えてくれるマンションもあります。気軽に使えるフィットネスジム やラウンジがあれば、毎日の暮しはより充実することでしょう。

人生経験が豊かな世代だからこそ、必要な住まいの要素があります。これからをより健康に、そして楽しく暮らせる終の棲家づくりをしていただければと思います。

オウカス 世田谷仙川 公式サイトはこちら

※掲載の情報は、2023年12月現在の情報です。

一級建築士事務所 OfficeYuu代表Yuu(尾間紫)Yuu(Yukari Oma)
一級建築士、 インテリアコーディネーターとして数多くの現場経験や相談実績をもち、住宅リフォームコンサルタントとして快適な住まいづくりのノウハウを発信している。