住まいの印象は、玄関ドアを開けた瞬間に決まります。今回は、おしゃれなミラーや照明、機能性タイルを使って玄関を素敵に変える3つのアイデアと、見逃しがちなポイントをご紹介。ごちゃつきがちな玄関ホールも、ちょっとした工夫で印象が大きく変わります。
玄関は家の顔とも言える場所。皆さんの家で玄関ドアを開けた時、最初に見えるものや感じることは何でしょうか。住まいの第一印象を決めるのは、最初に見える「景色」と「におい」です。
玄関は面積が限られているため、モノがあふれて雑然としてしまう、暗く圧迫感がある、独特のにおいがする、殺風景に感じるなどの悩みが多いもの。
そんな玄関を大きくイメージアップしてくれるのが壁面のインテリアです。玄関は他の部屋に比べて視界に入る壁面積が大きいため、ちょっとした工夫をするだけで大きく印象を変えることができます。
玄関の印象は、最初に目に入った景色でおおよそ決まります。ドアを開けたとたん、出しっぱなしの靴が目に入ってしまえば残念な印象に。
そんな時は、壁面に「フォーカルポイント」を作りましょう。「フォーカルポイント」とは、視覚的に引き付けるデザインを使って、視線を集中させる場所のこと。
玄関なら、最初に目に入りやすい位置に「強制的に視線を集める装飾」を施すことで、自然とそこに視線が集中し、雑多なものが目に入りにくくなります。
これは店舗でもよく使われるテクニック。上手にフォーカルポイントを作れば、空間全体のイメージがその装飾に支配されるようになり、少々散らかっていても素敵な印象に変えることができるのです。
「フォーカルポイント」づくりを成功させるためには、視線をしっかりと引き付けるアイテムを使うこと。少々派手に感じるくらいのアイテムを選ぶのがコツです。光を反射する鏡は存在感があるので、「フォーカルポイント」に適しています。
まずは玄関ドアを開けた時に目に入りやすい壁面を確認し、そこに装飾ミラーや照明、植物、お気に入りの雑貨、額縁などをレイアウトしましょう。印象的なアイテムを使って目を引き付けることができれば、散らかったものも目に入りにくくなり、玄関のイメージが一新します。
壁面に取り付けたミラーは、映り込みによって玄関を広く見せる効果もあります。加えて、更なる広がりを感じさせるために取り入れたいのが、光を使ったテクニックです。
部屋の中心に取り付けた照明は、空間の中心部を明るくしてくれますが、四隅や壁面が薄暗くなりがちです。中心だけ明るく、周囲が暗い空間は、面積がひとまわり狭く感じられてしまうもの。
スポットライトなどを使って玄関の壁面を明るく浮かび上がらせれば、実際よりも広く感じられるようになります。また、一室一灯の照明計画とは違って、複数の照明を使った演出は空間に彩りを加えることができます。
これも商業施設などでよく使われるテクニック。狭い通路やダイニングスペースなどを広く見せるために、あるいは空間に華やかさを演出するため、複数の照明で空間を照らす手法がとられています。
手軽に壁面を照らすなら、スタンド型のスポットライトを取り入れる手も。灯りの角度を自在に変えられるタイプなら、壁面はもちろんミラーや絵画、小物などもライトアップすることができ、空間の広がりを演出しつつ、フォーカルポイントを際立たせることができます。
更に、照明とミラーを組み合わせて灯りを映り込ませるようにレイアウトすれば、空間に連続性が生まれ、玄関がより明るく広く感じられるようになります。
玄関のイメージアップで見落としがちなのが「におい」です。家の「におい」は、住んでいる人には気付きにくいものですが、どの家にもその家ならではの独特の「におい」があります。
中でも玄関には靴があるので「におい」が気になりやすい場所。雨の日や湿気の多い季節には、特に強く感じやすくなります。
玄関の「におい」の悩みも、壁面の工夫で対策をすることができます。
こちらの写真は、壁面に脱臭機能を持つタイル建材「エコカラットプラス」と大型のオーダーミラーを貼り、「におい対策」をしながらインテリア性を高めた施工事例です。機能性壁材を使って空気環境を整えながら、大型ミラーの映り込みで、明るく気持ちのいい玄関になっています。
オーダーミラーならサイズもデザインも自在です。縁を斜めに切り取る「面取り加工」や「掘り込み」の装飾を施せば華やかでエレガントな印象に、ブロンズやグレーなどの「カラーミラー」を選べば高級感のあるシックな雰囲気を演出することができます。
玄関は壁面が大きいからこそ、壁面の工夫によって空間全体のイメージが変わります。お客様をお迎えする際はもちろんのこと、毎日家に帰って玄関ドアを開けるたびに心地よい気持ちになれる、そんな素敵な玄関を目指してみてくださいね。
※掲載の情報は、2024年5月現在の情報です。