暮らしのTIPSいくら掛かる?
知っておきたい幼稚園から大学までの教育費用
March 28,2023

教育費とは、子供の学習にかかるすべての費用のことです。学習塾や習い事にかかる費用も教育費ですが、教育費の中で大きな割合を占めるのが学校に通うために必要な学習費です。

教育費を準備するなら、学習費がいくらかかるのかを把握する必要があります。本記事では、幼稚園から大学まででかかる学習費をケース別に紹介します。

幼稚園から大学までにかかる学習費の平均

子供の教育にかかる年間平均学習費について、幼稚園・小学校・中学校・高等学校・大学について、それぞれ紹介したうえで、最後に公立・私立で分けて比較していきます。

幼稚園でかかる学習費

幼稚園でかかる学習費の内訳は、学校教育費・学校給食費・学校活動費の3種類に分けられます。それぞれの年間費用について、公立・私立に分けて比較しました。

区分 公立 私立
学校教育費 6万1,156円 13万4,835円
学校給食費 1万3,415円 2万9,917円
学校外活動費 9万555円 14万4,157円
学習費総額 16万5,126円 30万8,909円

引用:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査の結果について」(参照:2022年12月28日時点)

幼稚園を選ぶ際には、公立と私立で学習費に大きな差が出るので、よく考えて選びましょう。

小学校でかかる学習費

小学校の学習費も幼稚園と同様の条件で比較します。

区分 公立 私立
学校教育費 6万5,974円 96万1,013円
学校給食費 3万9,010円 4万5,139円
学校外活動費 24万7,582円 66万797円
学習費総額 35万2,566円 166万6,949円

引用:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査の結果について」(参照:2022年12月28日時点)

幼稚園よりも公立と私立の年間費用に大きな差が生じるため、子供を私立小学校に通わせたい場合は、十分な資金を準備する必要があります。

中学校でかかる学習費

これまでと同じ条件で、中学校でかかる年間の学習費の内訳を見てみましょう。

区分 公立 私立
学校教育費 13万2,349円 106万1,350円
学校給食費 3万7,670円 7,227円
学校外活動費 36万8,780円 36万7,776円
学習費総額 53万8,799円 143万6,353円

引用:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査の結果について」(参照:2022年12月28日時点)

全体では私立中学校の学習費のほうが高額ですが、多くの私立中学校では給食を実施していないため、学校給食費に関しては平均値が低くなっています。給食がない場合は、学習費とは別に昼食代がかかるため、食費が増加しやすくなります。

高等学校でかかる学習費

高等学校の年間学習費では給食がないため、学校教育費・学校外活動費の2種類を紹介します。

区分 公立 私立
学校教育費 30万9,261円 75万362円
学校給食費 20万3,710円 30万4,082円
学習費総額 51万2,971円 105万4,444円

引用:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査の結果について」(参照:2022年12月28日時点)

私立の高等学校は私立の小学校・中学校に比べると、公立との学習費の差が小さくなっています。学習費のみを考えると、高等学校から子供を私立に通わせるという選択は理に適っています。

大学でかかる学習費

大学でかかる年間学習費については、授業料・施設設備費に分けて公立・私立を比較しました。

区分 公立 私立
授業料 53万6,363円 93万943円
施設設備費 0円 18万186円
学習費総額 53万6,363円 111万1,129円

参照:2021年度学生納付金調査結果、私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について(参照:2022年12月28日時点)

私立大学に通う場合は文系・理系によっても学習費が変わり、理系のほうが高めです。子供の将来を考えるなら、大学の学習費は余裕を持って用意する必要があります。

幼稚園から大学までにかかる学習費を公立・私立で比較

ここまでの結果を踏まえて、幼稚園から大学までにかかる学習費を以下のケースで比較します。

ケース 学習費
1.幼稚園から大学まで公立 791万1,536円
2.大学は私立 1,021万600円
3.高校・大学は私立 1,183万5,019円
4.中学・高校・大学は私立 1,452万7,681円
5.小学校・中学・高校・大学は私立 2,241万3,979円
6.幼稚園から大学まで私立 2,284万5,328円

1と6を比較すると、学習費の差は1,493万3,792円です。子供を私立に通わせたいと考えている方は、早い段階で教育費を準備することが重要です。

2020年から返済不要の奨学金制度がスタート!

従来の奨学金は貸与型(要返済)でしたが、2020年4月から返済不要の「給付型」がスタートしました。経済的理由から進学をあきらめていた方を対象にしており、学ぶ意欲があれば進学が可能になる制度です。

種類 系統 種類
貸与型奨学金 卒業後に返済する必要がある 採用基準が低く、採用人数も多い。例えば、日本学生支援機構の採用基準は「家計基準」「学力基準」がある。 ※詳しい基準については各制度に要問い合わせ
  • ・日本学生支援機構による第一種奨学金(無利子)と第二種奨学金(有利子)
  • ・各大学の制度
給付型奨学金 給付であるため返済は不要である。 採用基準が高く、採用人数も少ない。例えば、日本学生支援機構の採用基準は「家計基準」「学力基準」に加えて「資産基準」がある。※詳しい基準については各制度に要問い合わせ
  • ・日本学生支援機構による給付型奨学金
  • ・公益財団法人キーエンス財団による給付型奨学金
  • ・公益財団法人コカ・コーラ教育・環境財団による給付型奨学金

教育費の準備は早めに行う

万が一教育費が足りなくなった場合は、奨学金・教育ローンを利用して不足分を補えますが、給付型の奨学金以外は返済する必要があるため、できるだけ事前に貯蓄しておきたいところです。

教育費の準備に不安がある方は、今のうちからFP(ファイナンシャルプランナー)に相談することをおすすめします。

※掲載の情報は、2023年2月時点の情報です。

大谷 惇途Makoto Otani
慶應義塾大学卒業。投資・ローン・税金などの金融分野を中心に5年以上の記事執筆経験がある金融ライター、現在はフリーランスで活動中。学生時代から株式投資を中心にさまざまな投資を行う。3級ファイナンシャル・プランニング技能士。