LIFESTYLE京都の「今」と人々をつなぐホテル
NOHGA HOTEL KIYOMIZU KYOTO
December 13,2022

野村不動産ホテルズが運営する「ノーガホテル」。「その地域と深くつながること。そこから生まれる素敵な経験。」を大切にしており、その土地ならではの魅力や文化、伝統と、世界中から訪れる人々とを結ぶホテルブランドです。
2022年10月現在、東京の上野と秋葉原、そして京都の清水五条に、3ホテルを展開。今回は、2022年4月に誕生した「ノーガホテル 清水 京都」を訪問し、同ホテルの総支配人を務める長友健太朗氏に話を聞きました。

長友健太朗Nagatomo Kentaro
ノーガホテル 清水 京都 総支配人。ホテル開発の当初から主要メンバーとして参画。現在はホテル運営や、地域の人・企業とのコラボレーション企画などに携わる。

「アート」「食」「音楽」を通じて、
「HOT」な京都と出会う。

京都市東山区。清水寺や建仁寺、清水焼など、多くの文化財に彩られた地域です。その一画で、ノーガホテル 清水 京都は国内外から沢山のゲストをお迎えしてきました。

「ノーガホテルはブランド全体として、地域とのつながりを大切にすることを目指してきました。その中でもここ京都では、独自のコンセプトとして『MEET HOT KYOTO.』を掲げ、今現在の京都で活躍している人や、人気のお店を知ってもらうために、さまざまな企画や演出を取り入れています。」と長友氏は話します。京都の「HOT」な人や店と出会うために、ホテルの開発が決まった2018年から、何度となく街中を散策してきたと述懐します。

「月に何回も通い、地域を歩き回って、バザーやお祭りなどのイベントに参加しているうちに、本当にたくさんの方とつながることができました。そうしたご縁の中から、ホテルのコンセプトに強く共感いただけそうな方たちにお声がけをしていったのです。」

ノーガホテルが、人と地域をつなぐ上で必ず取り入れてきたのが「アート」「食」「音楽」です。京都では、共用部や客室など至るところで地元の作家が手がけたアート作品に触れることができ、豊かな時間を演出しています。食についても、地元の食材を豊富に使用したラインナップを取り揃え、訪れた人々を楽しませています。さらに館内各所に設置されたオーディオに耳をすませば、京都で活躍する音楽家たちが手がけた音の世界を堪能することができます。「ホテル内で過ごしながらも、京都の文化や伝統を気軽に体験できる。それも当ホテルの大きな特徴です。」そう話す長友氏の言葉からは、街と人をつなぐ存在でありたいという強い想いが感じられました。

ホテルで過ごす時間が、
ウェルビーイングを高めることにもつながる。

「アート」「食」「音楽」に加えて、京都では「ウェルビーイング」に寄与するコンテンツも独自に用意していると、長友氏は続けます。

「ウェルビーイングとは心身ともに健康で満たされている状態のことを言いますが、ホテルの立ち上げが決まった当初は、ウェルビーイングにはそこまで目を向けていませんでした。しかし世界中がコロナ禍に見舞われる中で、お客さまの思考や社会のニーズが大きく変化していることを肌で感じたのです。そんな折に、この近隣にある建仁寺塔頭(けんにんじたっちゅう)の両足院(りょうそくいん)で副住職を務める伊藤東凌(いとうとうりょう)さんと巡り合いました。伊藤さんは海外のさまざまな地域や企業に向けて坐禅の指導をされている方で、『海外では日本以上に心身の健康に対する意識が高まっている』ということを教えてくださったのです。だからこそ、パンデミックが収まり、世界中の人たちが再び日本を訪れるようになったときには、ウェルビーイングに寄与するコンテンツはとても重要になると考えました」

その代表的なコンテンツが、ホテルの地下につくられた「メディテーションルーム」。母親の胎内をイメージしたという、やわらかくてやさしい印象のある空間です。

「メディテーションルームは、伊藤さんに加え、アーティストとして活躍されている立石従寛(たていしじゅかん)さんと共同で企画・設計を進めました。やさしい雰囲気の中でリラックスして過ごしていただけるよう、試行錯誤を重ね、現在の形状に至っています。また、この場所においても京都を感じていただけるよう、『左岸(さがん)』をテーマにした独自のメディテーションプログラムをご用意。『左岸』とは鴨川の左の岸のこと。プログラム中は、春夏秋冬や朝晩、季節や時間によって変化する鴨川の左岸で収録した自然の音や、地元の植物を活用したアロマの香りなどを感じながら、ご自身の心身と向き合っていただくことができます。」

食もまた、ウェルビーイングにこだわっていると言います。施設内で提供する食材はオーガニックを中心に取り揃え、ヴィーガンベーカリーにも力を入れているそうです。

「体や環境にとって良いものを提供しようというところには、ずっとこだわってきました。また、京都は抹茶で有名な地域ですが、抹茶には抗酸化作用があります。客室体験で実施している『抹茶体験』を通じても、お客さまの健康に寄与していきたいです。」

季節や時間によって、
まったく異なる京都が楽しめる。

ノーガホテル 清水 京都の企画や設計を考えるうえで、自身のこれまでの経験も大いに役立ったと、長友氏は教えてくれました。

「昔、パリのとあるホテルに泊まったときのことですが、そのホテルにある中庭では宿泊客も地元の方も混ざり合って、思い思いの時間を過ごしたり、スポーツ観戦を一緒に楽しんだりしていました。宿泊客と街と地域住民とのつながりを強く意識した設計が、とても印象に残っています。また、ロンドンで宿泊したホテルは、昼はラグジュアリーでエレガントな雰囲気を醸していたのですが、夜になるとクラブのようなヒップな雰囲気に様変わりしたのです。朝と夜、時間帯での雰囲気のつくり方は、すごく勉強になりました。」

ノーガホテル 清水 京都のロビーラウンジも、昼はベーカリーを中心としたエレガントで落ち着いた雰囲気を演出していますが、夜になるとアップテンポのBGMを流し照度を落とすなど、昼と夜で異なる世界観を演出。また屋上のルーフトップバーも、時間帯によってまったく違う表情を楽しむことができます。

最後に、ノーガホテル 清水 京都の今後のビジョンを聞きました。

「やはりまずは、世界中の人々と五条の町をつなぐ『結節点』として機能していくことが第一だと考えています。そのためには、このホテルで京都の文化や歴史を体感してもらい、より強く興味を持ってもらって、京都の街に出かけてほしい。そんな価値を、これからも提供していきたいと思っています。」

「アート」「食」「音楽」、そして「ウェルビーイング」なコンテンツを通じて、京都の街と深くつながることのできるノーガホテル 清水 京都。自身の心身と向き合いたいとき、豊かな旅を楽しみたいとき、足を運んでみてはいかがでしょうか。

「ノーガホテル清水京都」についてもっと知りたい方はこちら