「プラウドのサステナビリティ」第1話 環境にやさしいは、暮らしにやさしい。GX志向型住宅という答え
野村不動産の新築分譲マンション「プラウド」、新築分譲戸建「プラウドシーズン」でのサステナブルな取り組みをピックアップするシリーズ第1弾は、ZEH水準を超える新基準の住まい「GX志向型住宅」。2024年5月からZEH水準を上回る断熱性能等級6以上の物件供給を推進し、すでに6物件が着工。全戸がGX志向型住宅仕様の第1号物件として2025年7月に販売を開始している「プラウド横浜東神奈川フロント」では、全124戸がGX志向型住宅仕様になっています。本コラムではGX志向型住宅が注目されている背景、その特徴やメリット、暮らしのイメージについて、商品戦略部の新妻みなみさんと鈴木達雄さんにお話を伺いました。
新妻みなみ
野村不動産 住宅事業本部 商品戦略部 商品戦略課 大学時代は建築学を専攻し、環境系の研究室に所属。入社後は神奈川エリアのPROUD開発推進を経て、 2025年より商品戦略部にて生物多様性保全の取組みや木材利活用などを担当。
鈴木達雄
野村不動産 住宅事業本部 商品戦略部 商品戦略課 2020年より商品戦略部にて環境配慮型住宅の推進に取り組み、官民とも協議しながら、 実物件への導入を担当。「プラウド横浜東神奈川フロント」のGX志向型住宅としての戦略に携わる。
環境性能と断熱性能に優れたGX志向型住宅。
「具体的には、ZEHで求められる断熱等級5に対し、GX志向型住宅では断熱等級6を満たす必要があります。また、一次エネルギー消費量の削減率も、ZEHの基準である20%に対し、GX志向型住宅では35%の削減を達成しなければなりません。エネルギーの見える化や機器の自動制御、遠隔操作といったHEMS(Home Energy Management System)の設置が義務付けられているのも特徴です」
断熱等級5と6の違いは何なのでしょうか。新妻さんに聞いてみました。

「断熱等級は住宅の断熱性能を示す指標で、数字が大きいほど断熱性能が高く、より快適な住環境となります。例えば断熱等級5の住宅では、冬にエアコンを使わなくても室温が10℃を下回らないと言われています。それに対して等級6では13℃を下回らないとされており、『以前より寒くなりにくい』と感じる方が多いようです。ちなみに現在の省エネ基準である等級4では、室温は8℃を下回らないとされています。断熱等級にはさらに上の等級7もあり、こちらでは15℃を下回らないとされています。当社のマンションでも中住戸であれば等級7に該当する部屋もあります」

断熱性能に加えて、一次エネルギー消費量の削減率もGX志向型住宅には求められています。
「一次エネルギーの消費量の削減率というのは、いまの日本の省エネ基準住宅と比べて、どれくらいエネルギーを使わずに生活できるかを示す指標なんですね。削減量が大きいほど電気やガスの消費を抑えられるため、結果としてCO₂排出量も減り、環境に優しい住宅となります。ハイブリッド給湯器など高効率な給湯器を導入したり、省エネ効果の高いエアコンを装備したり、LED照明を採用するといった細かな取り組みの積み重ねによって35%という数値をクリアしていきます」
3大メリットは、健康面、光熱費削減、補助金。
断熱性能、環境性能に優れたGX志向型住宅に住むことは、実際にどんなメリットがあるのでしょうか?鈴木さんは、健康面、光熱費削減、補助金の3つを挙げられました。

「まずは健康面での効果が期待できます。断熱性能が高いと外気温の影響を受けにくいため、快適な室温を保てるので、ヒートショックの低減に効果的です。過ごしやすい住環境であればふだんの活動量も上がるでしょうし、健康寿命も伸びると言われています。血圧が安定したり、乾燥や喉の痛みが改善したり、鼻炎や喘息の症状が良くなったという報告もあります」

ちなみに日本の断熱仕様は、海外に比べて非常に遅れているとのこと。日本が2030年の目標に掲げているZEH水準は、すでに多くの国が実現しており、国によっては断熱性能の基準を満たさないと建物を建てられないケースもあると言います。

※各国の住宅の省エネ基準をもとに作成※スペインでは5つの地域区分に分類されるが、上図ではマドリードが属する地域区分のみの数値
「また、高齢者が浴槽で亡くなる事故は残念ながら毎年起きていますが、要因のひとつとして室内と浴室の寒暖差によって心臓に負担がかかるということが考えられています」

消費者庁ニュースリリース(令和4年12月)を基に作成
「光熱費の削減もメリットです。冷暖房の効率が上がるので電気代やガス代が安くなるのもありがたいですし、CO₂をなるべく出さないので環境への配慮にもつながります。
「3つめが、購入の際の補助金額です。GX志向型住宅を購入した場合は、1戸あたり110万円の補助になります。実は家庭から排出されるCO₂の量は約16%。これは自動車などの運輸の部門と同等で、日本全体の比重としては大きいものなんですね。そういった影響の大きさから、国からの補助金額も大きくなっています」
※補助金には予算上限がありますため、詳細は国土交通省のサイトを確認ください。

環境省 温室効果ガスインベントリを基に作成
※発電及び熱発生に伴うエネルギ-起源のCO2排出量を、電力及び熱の消費量に応じて、消費者側の各部門に配分した排出量
※四捨五入の関係で、合計値が一致しない場合がある
GX志向型住宅の要件を満たすための具体的な取り組みとしては、断熱材の厚みを増やす、アルミ樹脂複合サッシなどの窓を採用するといった施策のほか、最上階住戸の天井部分や1階住戸の床、共用部分にいままで以上に断熱材を追加することによって、建物全体として熱を逃さない配慮をしています。
カーボンニュートラル実現のためにも。
誰もが実感しているように夏の暑さは年々厳しいものになっています。2050年までにカーボンニュートラルを実現するため各企業が努力していますが、もしそれが達成できなければ、気温はさらに2度、3度と上昇し、地球温暖化が深刻化する可能性があると述べた鈴木さん。そうなると外出することが難しくなったり、生態系の変化によって絶滅する生物が出てきたり、緑が失われるなどのリスクがあるかもしれません。
「海外ではすでに50度を超える気温を記録する地域もあり、暑さによって命を落とす人も出ています。地球崩壊というのは言い過ぎかもしれませんが、極めて深刻な状況ではないでしょうか。氷河が溶けて海面上昇が進み、国や地域によっては水没するというリスクも現実的になってきます。気候変動への対応は避けて通れない重要な課題です。先ほども申し上げたように不動産に関わるCO₂の量は全体の約16%を占めるので、GX志向型住宅に移行していくこと、お客さまに選んでいただくことの意味は大きいです」

また、GX志向型住宅を通して、環境に対する意識が高まれば、自分ができることを考えるようになるのではと指摘された新妻さん。自宅でできる「断熱」や「省エネ」の工夫についても教えてくれました。
家庭でできる「断熱」や「省エネ」の工夫とは。
「窓に断熱シートを貼る、隙間テープを貼る、カーテンを厚手にするといったことでも断熱性は向上します。もう少し本格的にやるなら内窓を設置するとか。内窓の設置については行政から補助金が出ることもあります。壁にも室内から断熱シートを貼る、床にはラグやカーペットを引くなども効果的ですよ。断熱性が上がると、勉強やテレワークの集中力向上にもつながるので、ぜひできることがあればやってみてください」

「電化製品まわりでは、高効率エアコンへの交換する、照明はLEDにする、冷蔵庫にモノを詰めすぎない、使わない電化製品のコンセントは抜いておく…などはされている方も多いかもしれないですね。定期的にエアコンのフィルターを掃除したり、室外機のメンテナンスをするのもおすすめです。あとは日中はカーテンを開けて光を取り込んで部屋を暖めて、暗くなったらカーテンを閉めるとか。これさえすればという劇的な施策はないですが、細かいことをご家族で楽しみながら積み重ねることが、省エネ生活の秘訣ではないでしょうか。あとは国が推している『デコ活』はご存知ですか?脱炭素(Decarbonization)とエコ(Eco)を組み合わせた脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動の愛称で、CO₂を減らすための具体的な行動やライフスタイル変革を、より豊かで彩りあるものとして取り組むことを目指しています」

毎年出る省エネ家電に積極的に交換することがよいわけでもありません。廃棄物の観点からも、いまあるものは大切に長く使っていく。引越しや故障など新しいモノを購入するタイミングで、なるべく省エネ効果が高く環境に優しいものを選ぶことが大切です。
「そもそも日本人が持つ『もったいない精神』は、とてもサステナブルな考え方だと思うので」
GX志向型住宅を通じて叶える、「いつのまにか、いい未来。」。
「地球環境を守るためには、無理や我慢も必要と考えられている方もいると思いますが、わたしたちはそう感じていただきたくはないんです。ただ普通に生活しているだけで、環境にもよいという住まいに意義があると思っています。むしろサステナブルな暮らしは、いい未来につながる楽しいこと、ワクワクすることだと感じてもらいたい。GX志向型住宅に住んだら、いままで以上に快適だし、光熱費も下がったし、結果的に家族にも地球にもよかったね!ということを目指しています。建築資材ひとつをとっても、環境面だけが突出していても、コストが高くなったうえに全体的な仕様が落ちているのであれば本末転倒です。お客さまにしっかり価値を提供しながら、環境性能を高めるという両輪が何よりも大切だと思います」

今年度中に新たに着工する予定の4物件についても「GX志向型住宅」仕様を予定しており、将来的にも増やしていきつつも、お客さまの声に耳を傾けながら慎重に進めていく考えとのこと。
「立地条件によっては眺望が魅力の物件であれば、そこはやっぱり窓を大きくとって開放感を実現したいですよね。HEMSが不要なケースもありますし、断熱性能やエネルギー消費量削減は住み心地につながる大事な要素ですが、常に優先度がNO.1だとは思っていないので、お客さま目線を第一にバランスを見ながら計画していきます」
安心と安全、機能性と心地良さ、時と共に深まるデザイン、環境と未来への対応、豊かな暮らしへのエスコートと5つの価値を追い求めてきたプラウド。根底にあるのは、環境のためにということ以上にお客さまの笑顔を大切にしたいという想い。その挑戦はこれからも続きます。
